2025年11月5日発行 1705号

  • ダイバーシティ委員会9月例会(神奈川)
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  • 連載「代表理事に聞く」(埼玉)
  • 【支部長インタビュー】さくらんぼ・山形
  • 特集「第28回女全交in東京」
  • 労使見解とわたし
  • 【時潮創流】
  • 【変革と挑戦】岩手
  • DORの眼
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円卓

▼いまから57年前、東京の五日市町(現あきる野市)にある豪農の土蔵から、古文書が発見されました。世に言われる「五日市憲法草案」です

▼明治10年代の半ば、地域の青年たちが、月に3回市の立つ日に集まり、学習討論を積み重ねながら204条にわたる憲法案を練り上げました。死刑を廃止すべきか、女性の皇帝を立ててよいか、外国の製品に関税を増やし、国内産業を守るべきかなどの論題も散見されます。対立する見解を互いに尊重しながら討議し、1条ごと固めていったことが分かっています。国民の権利として32項目も掲げるなど、現在の日本国憲法の源流の1つとして評価されています

▼皇后時代の美智子さまが、あきる野市の文書館でご覧になり、議会も開かれていない時代に国民の基本的人権を幾重にも規定した立派な憲法草案が民衆の手で作られていたことに感嘆したと、新聞に感想を寄せたことからその存在が広く知られるようになりました

▼戊辰戦争が終わってまだ10年という時代に、自由民権運動という青々とした息吹が全国各地で生まれていたのです。同友会の学び合いは、奥深いところで五日市の青年たちの情熱とつながっているのかもしれません。