2026年6月15日発行 1727号
- 中同協予決算案・規約改定案
- 連載「中小企業を働きがいのある職場に」(広島)
- 第56回全研記念講演要旨
- 連載「わが社のSDGs」(和歌山)
- 【時潮創流】
- 【同友時評】
- 訃報(福岡)
- 定時総会(奈良)
- 【あっ!こんな会社あったんだ】福岡
円卓
▼昨年の秋、ベトナム中部のフエという地域が、記録的な豪雨に襲われました。市街地の広い範囲が冠水し、道路や住宅地が浸水する中で、イオンが運営するモールだけが、ほぼ浸水せずに機能を維持したため、ベトナムでは「イオンの奇跡」と呼ばれました。周囲が水没しているのに、モールだけがまるで湖に浮かんでいるように見えたのです。停電や断水が広がる中で、営業や物資供給を続け、住民の避難や生活支援の拠点にもなりました
▼これは奇跡ではなく設計の段階で、「過去に起きた最大災害」ではなく、「将来さらに悪化するであろう災害」を想定していたのです。「浸水してから対応する」のではなく、最初から「浸水しない高さ」で駐車場も含め造っていたのです。ベトナムで驚かれたのは、建物の強さだけではありません。豪雨時に、①食料供給を続ける、②電気や通信を確保する、③住民を受け入れる、という商業施設を「地域のインフラ」として機能させたことです。「災害が起きてから復旧する地域」ではなく、「災害が起きても地域機能を止めない地域」ということです。「地域の防災力と経済活動をどう両立させるか」という、示唆に富んだ事例です。
